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みうらラタン 公式ブログ

2016年5月26日

【籐家具職人三浦祥太郎コラムより】籐家具の原材料「籐」とは?

「籐(とう)」と聞いて皆さんどんなこと思い浮かべますか?

「竹みたいなもの?」
「藤(ふじ)?日本で取れる??」
「かごで良く使っているもの?」

等々知られているようであまり知られていない植物です。

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籐家具の「籐」は竹かんむり、藤(ふじ)は草かんむりです。

籐は日本には生息しておらず主に赤道直下のジャングルで見ることが出来ます。

イメージしやすい言い方として「竹」と「木」の中間といったところでしょうか?

勿論それぞれ良さがあり様々な用途があるので何が一番とは言い切れませんが、

籐という植物の成り立ちや歴史は別な機会にお伝えするとして、

籐の専門家として籐(ラタン)を家具や製品に使うことにフォーカスして記述していきます。

籐の特徴を短くまとめると

1.軽量

2.通気性がある

3.柔軟性と強度が両立している。

この3点が挙げられます。

勿論、特質すべき点は3点だけではないですが、ここでは分かりやすくするため絞り込んでお伝えしていきます。

1、軽量

籐自体は軽量です。竹と同じく多孔性の植物であるためです。

竹と違いは空洞がありません。

籐の断面、よく見ると細かな穴が開いています
籐の断面、よく見ると細かな穴が開いています

また、木と同じようにソリッド(中まで埋まっている)になっているように見えますが、

実は水を通すための無数の穴があり水に浮きます。

息を吹きかけると空気が通り抜けます。

籐椅子は軽いのはそのためです。

ダイニングチェア等(約4Kg~)は軽いものが多いです。

籐のダイニングチェアは軽量です
籐のダイニングチェアは軽量です

良質な国産木製椅子などはものにもよりますが10Kg前後なりにます。(もちろんそのぶん丈夫ですが)

同じ籐でもリクライニングチェア等は強度保つため材料がたくさん使われており少々重くなります(約10Kg前後。)

リクライニングは少し重めです
リクライニングは少し重めです

ただマットレスやコイル、木を多用したリクライニングチェアと比べると断然軽いことは容易に想像できます。

狭い日本で人気の回転いすなどは、回転盤自体が金属で1~2Kgあり、少々重くなってしまいます。

籐のベットはデザインによって変わってきますがおおよそシングルサイズで総重量20Kg~25Kgと大変軽量です。

軽やかな籐ベッド約20kg~
軽やかなみうらラタン国産籐ベッド約20kg~

一般的なシングルのコイル入りマットだけで20Kg~、木製のベットなると相当な重量感と高級感があります。

座面のすのこの隙間が狭い良質なベッドや網代編みベッドは布団を直接敷けるので、

分厚いマットレスが必要なく籐の良さである軽さをキープ出来ます。

マットレスはほとんどの方は長年の間置きっぱなしではないでしょうか?

よく考えるとシーツやカバーなど変えているとはいえ重く動かしにくいマットレスは

「万年床」のようになっているのかもしれませんね。

チェスト類(箪笥)は基本的に木と籐を組み合わせたものなので少々重くなります。

チェストなどは籐をデザインとして楽しむ現代になって登場してきました。

ランドリーバスケットなどはほぼ100%籐で作られており比較的軽く、

さらに以下でも紹介していく通気性も兼ね備えています。

2、通気性と湿度調整
籐は通気性があるのが特徴です。

湿度が高いと空気中の水分を吸収し柔らかくなり

乾燥すると固く締まります。気候によって表情が変化します。

籐網代や籐むしろが今でも公衆浴場から一般家庭、和室、廊下敷などに広く使われているのは、

湿気があるときは空気中の水分をとり、

乾燥すると水分を放出するという風に「呼吸」をし室内を快適に保つためです。

通気性とは異なりますがエナメル質なので肌触りがよくべた付かない事も利用者を快適に過ごさせることができるのです。

なめらかな籐むしろ
なめらかな籐むしろ

籐椅子や籐ベッドの編み込み部はもちろん空気を通すので圧迫感がありません。

籐ベッドにしかれる布団は常に「布団が干されている」状態なんです。

成長期の真っ只中、汗っかきの中学2年生の甥っ子の布団が何だかかび臭さくなってました。

彼は床に直接布団を敷いていたので湿気の逃げ場がなかったんでしょう。

通気性のベッドの上では快適な睡眠が得られそうですね。

 

また近年、20年、30年と使い破れてしまったダイニングチェアの修理依頼が絶えません。

籐から布に張り替えたお客様が、通気性があり圧迫感のない籐に戻してほしいという依頼もままあります。

 

3.柔軟性と強度

「籐の編み込みは破れる」とイメージされている方も多いとのではないでしょうか?

はい、使い続けていれば籐はいずれは破れます・・・・

しかしながら30年以上愛用されたイスなのに、

クッションは破れても、籐編み部分はしっかりしている、という例もあります。

どのようなものでも乱暴に扱えばすぐに痛みますし、丁寧に扱えば長く持ちます。

自然素材ゆえ(自然素材に限りませんが)年月が経てば徐々に劣化してきます。

鉄や硬い木などは長持ちしますが、柔軟性はありません。

籐が古くより人々がより快適に過ごせるよう椅子や家具に使われてきたのは、

他に代替え品がなく籐でしかなしえなかったに他なりません。

古くより熱気球のバスケット(人が乗るゴンドラ部分)には籐が用いられています。

熱気球のバスケットは籐で出来ているんです
熱気球のバスケットは籐で出来ているんです

その理由としては着陸時に衝撃が加わるため、「クッション性」と

屋外で過酷な使用条件にも耐えうる「堅牢」であることが要求されるためです。

相反するであろう柔軟性と強度を兼ね備えた自然素材「籐」。

最も安全性が要求される「人が乗る部分」に用いることが出来るという、

先人たちの籐への信頼の証(あかし)は今も世界各地のバルーンフェスティバルで見ることが出来ます。

良質な籐ベッドの座には熱気球のバスケットにも使われている皮つきの丸籐(まるとう)を使用しており、

適度な柔軟性で、腰痛持ちのお客様が「背筋がピンとして気持ちよい」という感想もいただいてます。

適度な柔軟性が心地よい寝心地を得ることがきるのではないかと考えます。

ふわふわのマットレスを嫌う方には籐がおすすめかもしれません。

適度なクッション性がある籐ベッドの座面
適度なクッション性がある籐ベッドの座面

 

柔軟性があるということは加工しやすいとうことにもつながってきますが、

籐の加工性や生産性、他の家具との違い、良い点悪い点、新たな新素材等々・・・

また別な章で述べたいと思います。

いずれにしてもあらゆるところに籐が使われているということは必然性があってのことでしょう。

籐に限らず自然素材の家具は多種多様にあるかと思います。

適材適所、シチュエーションに応じて良いものを選んでいただければと思います。

籐家具職人の店 みうらラタン 三浦 祥太郎

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