創業大正15年、籐家具職人の店みうらラタン 創業大正15年、籐家具職人の店みうらラタン


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みうらラタン 公式ブログ

2016年6月02日

【籐家具職人の店みうらラタンコラムより】籐家具はどうやって作られていくのか?

    籐家具はどうやって作られていくのかのでしょうか?

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籐で出来たゆりかご

籐家具は果たしてどのように作られていくのでしょうか?

軽量で、強く、しなやかであるというのは、良質な籐の特徴ですが。

籐家具を作るうえで必要な動作の代表は以下の三つです

・曲げる

・組む

・編む

細かな作業は多種多様ですが、代表的なものはこの三つです。

木製品のように大きな旋盤や設備は必要としませんが、

その分熟練の職人の技に頼られます。

【曲げる】
籐曲げる職人
籐家具を製造するうえで特徴の一つである「曲げる」という作業です。

バーナーで炙(あぶ)るか、蒸し機で蒸すことで曲げが可能となります。

籐はソリッドで無数の細かい穴がありさらに繊維層であるため、曲げ加工が可能ですが、

竹もわずかであるが曲げることができるが、空洞のため強く曲げると割れるます。

そのため明治~昭和初期などその昔籐が手に入らない時などは、

曲げをあまり必要としない部分に良質な竹を用いていたようです。

目立たない部分に使うため竹か籐か見分がつきにくい場合が多いです。

現在(2016年)も明治、大正、昭和を潜り抜けてきた籐の修理をいただくが、

フレームの一部に竹を用いた椅子を多数見かけます。

みうらラタン創業者の三浦花市は材料不足で籐が高価で手に入らなかった頃、

竹の節を取り中に砂をつめ中空の中身をソリッド(無垢)の状態にして曲げて、

籐家具の部材として用いていたこともあったといいます。

【組む】
籐職人組む
曲げ部分や小曲がりを修正し部品を組み上げます。

組み付け部には釘もしくは木ねじを使い、

その後籐と籐のつなぎ目の部分にはさらに強度を保つため巻きを施す、

これによって組んだ籐が更に頑丈なもとに仕上がっていきます。

ある医療施設の依頼で釘等金属類一切なしで籐脱衣かごを製作した例もあるのです。

当店職人の熟練のなせる業でもあります。

釘なしでも製作可能だが製作難易度は格段に上がり強度も落ちます。

【編む】
籐職人編む
曲げると並んで籐の特徴である編む作業

材料は多岐にわたり皮籐、丸芯、紅籐などサイズもさまざまありますが、

機械化できないので、職人の手作業に頼ることになります。

編む以外にも「巻く」、「かがる」、「結ぶ」などの作業が可能。

自在に変形できる割に丈夫なのも特徴で

良質な国産竹カゴやバックなどでも持ち手や縁巻きや編み込み部など

部分的に籐で仕上げているケースが多い。

竹はそういった細かい細工が難しいためです。

籐むしろ・あじろ等の敷物の淵などは1mm程の細い皮籐でかがってあります。

まるで糸のように自在に変化し敷物として加工できる自然の無垢素材は籐以外にはないです。

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曲げる、編む、組むを組み合わせた美しい「輪流~めぐる~」

曲げ、組み、編む・・・様々な籐家具が職人の手によって創り上げられます。

自由度が高く多種多様な表現が可能で、さらに籐ならではの編み込みが美しさを際立たせ、

デザイン性を価値あるものに高めているのです。

そのためプロのデザイナーが好む材料でもあるのです。

このような恵まれた商材に出会えたことに感謝しながらも、

伝統的な作りも継承しつつ新たな可能性も見据えながらの長い旅路は、

まだ始まったばかりのような思いです。

籐家具職人の店 みうらラタン 3代目三浦祥太郎

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