みうらラタン 公式ブログ
【完全予約制】瀬戸内の風と100年の記憶。築150年の古民家で出会う、一生モノの籐家具「みうらラタン」
海を渡って、職人の聖地へ

広島港(宇品港)からカーフェリーに揺られること約40分。瀬戸内の穏やかな波と、江田島市・沖美町。 ここに、創業100年を目前に控えた老舗「みうらラタン」が、新たな歴史を刻む場所として作り上げた「江田島工房」があります。
単なる家具の展示場ではありません。そこは、明治元年建造の古民家を再生した、職人の魂と癒やしが同居する特別な空間。今回は、完全予約制で公開されているこの「秘密の工房」をご紹介します。
1. 築150年以上、明治の古民家とラタンの融合

車を走らせると見えてくる、白漆喰の壁と立派な日本瓦の屋敷。「MIURA RATTAN」の切り文字が、歴史ある建物にモダンな息吹を与えています。
蔵を改装した一室を出るとデッキが
暖簾をくぐり一歩足を踏み入れると、そこにはタイムスリップしたような空間が広がっていました。 メインとなる「暖炉の間」では、頭上の太く黒光りする梁(はり)が150年の歴史を物語ります。その重厚な和の空間に、軽やかで優美なラタン家具が驚くほど馴染んでいるのです。
パチパチと薪ストーブが燃える音を聞きながら、ハンギングチェアに身を委ねる……。ここには、都会の喧騒とは無縁の「ゆったりとした時間」が流れています。
2. 破壊からの再生、そして「原点回帰」

なぜ、広島市内に本社を持つみうらラタンが、この江田島の地を選んだのか。そこには深い物語があります。
江田島は創業者・三浦花市と現会長・三浦明利の「生誕の地」なのです。 1945年、広島への原爆投下により、みうらラタンは当時の店舗、住居、そして材料の全てを焼失しました。そこから「ゼロからの挑戦」で復興を遂げた同社が、創業100周年を前にこの故郷へ戻ってきたのです。
さらに、この工房自体も2018年の西日本豪雨災害で被災しています。土砂災害を乗り越え、砂防ダムが整備され、見事に「再生」されたこの場所は、不屈の精神の象徴でもあります。 縁側から眺める美しく手入れされた「つつじの庭」や「竹陽の丘」からは、自然への畏敬と愛着が感じられます。

3. 江田島の風から生まれた新作「Yura ~ゆら~」

離れにある工房では、職人歴半世紀を超える三浦明利会長が、真剣な眼差しで図面を広げていました。ここは、職人が構想を練り、新たな命を吹き込むアトリエです。

この江田島の静けさと海風に包まれながら生まれたのが、創業100周年記念シリーズ**「Yura ~ゆら~」**です。
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コンセプトは「ゆらぎ」: 瀬戸内の波のリズムと、創業時の原点である「ゆりかご」の揺れを家具に落とし込みました。
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新色「薄琥珀(うすこはく)」: 和室にも洋室にも合う、深みのある上品な色合い。
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極上の座り心地: 籐の原産国インドネシアの最高峰の編み技術と、広島の職人が作る国産クッションの融合。
5.訪問は「完全予約制」の贅沢
みうらラタン江田島工房は、ふらっと立ち寄れる場所ではありません。「完全予約制」となっています。
( 職人が製作に集中するためですのでご了承くださいませ)
ここでは「家具を買う」という行為が、ひとつの「旅の思い出」になります。
「伝統を守るとは、灰を崇拝することではなく、火を絶やさないことである」という言葉があります。
みうらラタン江田島工房は、100年続く「籐への情熱」という火が、最も美しく燃えている場所でした。
広島・江田島への旅の際は、ぜひ予約をして、この特別な空間で「本物」に触れてみてください。



インフォメーション
みうらラタン 江田島工房・展示場
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住所: 〒737-2315 広島県江田島市沖美町美能952
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アクセス: 広島港からフェリー(三高港行き等)または陸路で。
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見学予約: 完全予約制(ご来店の1ヶ月前までにご連絡ください)
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予約・お問い合わせ: 082-247-6371(広島本店)
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公式サイト: https://www.miurarattan.co.jp/
江田島工房案内図PDFダウンロード
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みうらラタン江田島工房の朝の様子








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